日記 320

2月9日(火)

 23時就寝、3時起床。
 昨日は眠れなかった。だからどうしたと言うこともない。仕事には行かなければならない。将来が不安だろうが、入ってくる情報の厚顔無恥さに反吐が出ようが、一向に物書きとして大成できなかろうが、周囲の期待に応えることが怖かろうが、やるべきことがある限り立ち止まるわけにはいかないのだ。不平不満をどれだけ言ってもいいが、手は動かさないと状況は好転することなんてないのである。矮小な個人なんてものは、世の中にとってはどうでもいいことなのだから。とにかく、やるべきことは続けなければいけないのである。
 朝、母上が買ってきてくれていたアルミの出来合いの鍋を炊いて喰った。不味かった。会社に着き、食堂でいつものように一服した。コロナのニュースが流れていた。若者が不要不急の外出をしていて感染が蔓延しているそうだ。東京では老人ホームでクラスターが発生して死者が連日最高記録を達成しているそうだ。病床も逼迫している。一方で感染者数は減少、緊急事態宣言は2週間後に明ける見込みだそうだ。
 うちの町でも例外じゃなかった。父上は連日のように感染者の軽率な行動をなじっている。クラスターを出した施設の門にはあることないことが書かれた張り紙が貼られている。都会から来た息子が帰省して来させ、それが集団感染につながったからだという。息子は前もってPCR検査を受け陰性だったそうだが、それでも100%を保証するものではなかったらしく、2週間後に晴れて患者の仲間入りだ。検査を受け持っているクリニックの前を通ったが、仰々しい格好をした医者がバタバタと忙しそうにしていた。何処も大変そうだ。
 会社でも発熱した従業員がでた。休みの日に緊急事態宣言が出ている地域に遊びに行ったそうで、即検査。濃厚接触者は自宅待機で現場は休日出勤でなんとか回している状況だ。朝礼で課長が続報を重々しく伝えている。若者は愚か者しかいない。うちの会社ではそれは本当のようである。そもそもからして繋がりの薄いもの同士が、金を得るためだけの薄っぺらな責任を押しつけ合っているだけのような関係で相手のことを思えというのも無理からぬ話なのだろうけれど。
 朝も昼も打ち合わせ。仕事は増えるばかりで一向に減ることはない。緊急事態宣言だろうが仕事の密は全くもって避けられていないのだ。余りに気が滅入ってきて定時になって敵前逃亡した。逃げ続けてばかりの人生だ。多分、この間見た夢はそういう意識の現れだったのかもしれない。
 「ハーモニー」を読み続ける。あと晩飯はおでんらしい。

 今日はこの辺で。