寝るまでモラトリアムパレェド 13
13
蝉が交尾のために必死になっているのも、怒声と掘削機でアスファルトが砕かれる音もうんざりする。
近くの工事現場からだ。夏に入ってからずっとこの音に悩まされ続けている。
おのれ、労働者どもめ。菓子折の1つでも持ってきたらどうなんだ……。暑い。蝉の声。エアコンの電源はON。ぬるい風が嫌らしく肌をなでる。
室外機は暑さで逝ったか……。前に大家殿に頼んで業者を呼んでもらったのだが、直らなかった。余りに暑くなりすぎると室外機が働かなくなってしまうそうだ。つまり、仕様なのだ。
この時期に立たずしてお前はなんのために生まれたというのだ。此処こそがお前の決戦ではないのか。
電話をかけようと携帯に手を伸ばす……。
「み、水を……誰か……」
蝉が交尾のために必死になっているのも、怒声と掘削機でアスファルトが砕かれる音もうんざりする。
近くの工事現場からだ。夏に入ってからずっとこの音に悩まされ続けている。
おのれ、労働者どもめ。菓子折の1つでも持ってきたらどうなんだ……。暑い。蝉の声。エアコンの電源はON。ぬるい風が嫌らしく肌をなでる。
室外機は暑さで逝ったか……。前に大家殿に頼んで業者を呼んでもらったのだが、直らなかった。余りに暑くなりすぎると室外機が働かなくなってしまうそうだ。つまり、仕様なのだ。
この時期に立たずしてお前はなんのために生まれたというのだ。此処こそがお前の決戦ではないのか。
電話をかけようと携帯に手を伸ばす……。
「み、水を……誰か……」