G線上の魔王 プレイ日記 (第2章のあらすじ前編)

とりあえず頑張ってまとめる。
シーンごと、まとめきれなかった場合は省略アリ。
例によってネタバレなので、プレイ後推奨。

2章

遊興の誘拐(やっと公式タイトル使える)



第一章の邂逅から何事もなかったかのように、
京介のシゴトの場面から物語は始まる。
月曜の昼間、彼は学校を休み、シゴトを行っているのである。
この日は、東区の土地の再開発、大規模なレジャー施設の誘致についての相談を受けていた。
要するに地上げと家屋買収の依頼を受けていたのである。
京介は珍しくミスをした。近頃、頭がぼんやりするそうだ。
そんな折、勇者・宇佐美ハルから声を掛けられる。

「昨日、魔王に会いました」
「魔王はこの街を知り尽くしている人物です」
「あるいは、わたしの近くにいる人間こそが、”魔王”なんでしょう」

そして、シゴトの話をしているときの京介の声音を聞いたハルは、
京介が”魔王”である可能性を疑い始める。
けれども、京介も、宇佐美が”魔王”である可能性がないわけではないという。
そこで二人は、「最低限お互いを疑わない」という盟約を結ぶのであった。

2

夕方、喫茶店を出ると椿姫に出会った。
学校を病気で休んでいたと聞いて、京介を心配していた椿姫。
京介は、その眼差しを直視できない。
「普通の人間が、他人に好かれようとするある種の作為が見つからない。
 いいやつ過ぎて信用ならない。
 その癖、他人の機微に敏いところがある」
と、椿姫をうっとおしく感じる反面、
自分にないものをたくさん持っているので、深く関わってみたいと思っている。
そして、今回の地上げの対象となる住所は、椿姫の家だった。



ところ変わって山王物産の隠し部屋。
”魔王”は一人思案していた。
史上まれにみる大犯罪を起こすための計画。
その計画に不備がないか、他にやるべきことがないかについて。
結論は、何もするべきではない。小一時間ほど頭脳を巡らせていた。

しかし、懸念材料は一つあった。
宇佐美ハルの存在である。
興信所の人間に彼女の背後関係を探らせ、彼女に”もう一つの顔”があることも知ったが、
計画を脅かすものではないと判断できた。
にもかかわらず、ハルのことが気になって仕方がない。

山王物産の専務理事・染谷が部屋に入ってくる。
東区の地上げの件で悩んでいると。
「あとたったの一区画なんだがね」
その家族の名前に「美輪 椿姫」を見つけ、瞑目し、ハルの関係者だとわかると
それまで悶々としていた考えが一気に線を結び始めた。

魔王は染谷に脈絡もなく語り始める。
「南米のテロリストの話です。旅客機の中に、テロリストが狙う要人が居ました。テロリストは用心を殺害するだけでは気が済まなかった。何の罪もない旅客を巻き添えにして飛行機を墜落させました。要人と同じ飛行機に乗っていたという理由だけで……」

魔王を動かしているのはいつだってただ一つだった。
復讐。それだけだった。



翌日。
昨晩、京介は結局、出直すことにして昨晩椿姫の家に行かなかった。
土地の買い付け手が倍の額を支払うといっても立ち退かない理由が知りたかった。
そこで、裏で京介は会社の人間をけしかけた後、表では椿姫の家に訪問することに。
クラスメイトの悪友「相沢 栄一」とハルも、用事を済ませてから同行すると約束。

放課後、京介は椿姫に自分の父親は不動産関係の仕事もやっているからと
相談に乗るふりをして、内情を聞き出そうとする。

椿姫の家についたが、
「栄一くんと宇佐美さんが来るのを待ってからにしない?」
と、二人で入ることをためらう。
どうやら、家族に勘違いされることを嫌がっているようだ。
(まんざらでもなさそうなのがヒロイン力高い。
 どっちだよこの女)

家に入ると、出迎えてくれたのはなんと
椿姫の父、母、中学生くらいの弟、小学生の妹2人?、あと幼稚園児の弟、広明。
7人にも及ぶ大家族である。
そこから全員に椿姫の彼氏であると誤解される京介。
小さい妹や弟が騒ぎ、スプーンや箸が京介のほうに飛んでくる。
騒がしくも活き活きとした家庭であることが描写される。

そうしているうちに、栄一とハルがやってきて一緒に夕食をとり、一家団欒に混ぜてもらう。
広明が椿姫に一緒に寝ようと甘え始めたところで、京介たちも帰ろうと腰を上げたとき、
椿姫の父の怒号が玄関から聞こえてくる。
どうやら、京介のけしかけておいた暴力団員が家にやってきたようだ。
ハルは、帰ろうとする京介の前に立ちふさがり
「帰るんすか?」
と訝しがるが、京介は家庭の事情に深入りするのはよくないと返し、切り抜ける。

京介は、あとで椿姫に電話する約束を取り付け
ハルは、何か困ったことがあればいつでも相談に乗るといった。
栄一は、楽しかったよというだけだったがな!

帰宅した京介は、まずけしかけた暴力団員に電話、
玄関のドアを蹴ったことに、手荒な真似はするなと激高した。
警察に通報され露見してしまうことを恐れるためである。
一方で、椿姫には何か困ったら警察じゃなく、俺に頼れと説明。
警察は事が起こらなければうごかないと嘘をつき、
また、椿姫からの好意も利用して、盲目的に従わせる。
※暴対法なる法律があるため、本当は、地上げなども通報すれば警察は動く。
(正式名称:暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律、平成三年成立。
 詳しくはググって)


 
 翌日の放課後。
 この日も京介は、椿姫に「今日も遊びに行っていいか」とアプローチをかける。
 当然、信頼を得てことを円滑に進めるためである。
 一方、ハルはアルバイトをしていることが教師にばれ、アルバイトが許可されていないと職員室に呼び出される。(許可書はもっていたが、その場では見つからなかった)
 そんなハルを「アルバイト許可を得ていないなんて誤解」と信じ、楽しみにしていた京介とのデートを後回しにしてまで、職員室に説得に向かう椿姫。それに対し、ますます信じられないようなものを見るような目で椿姫をみる京介。
 ハルを解放した椿姫は、誇ることもなく当然のことをしたまでだと、ハルの役に立ててうれしいと言った。
 打算なき行動、それに京介はしっくりこないと思うのであった。


 椿姫の家に着くと例によって、弟たちに囲まれる。
 姉である椿姫と遊んで欲しがっているのだ。
 椿姫は京介の話を家でよくするようで、椿姫の父もどうやら京介に好印象。
 京介は、地上げの話を切り出した。
 自分は、金融から不動産も手掛ける社長の息子でその仕事をよく手伝っているので何か力になれないか? と。
 最初は、自分たち家族の問題だからと相談することをためらう父に対し、
 京介は、
 「この辺の不動産に詳しいブローカーに聞きましたが、東区の土地は、どこもかしこも高値で取引されているそうじゃないですか」
 「もし、立ち退かれるのであれば、この家と土地だけ見ても、相当な額になるでしょう」
 「リンゴの畑を入れればさらに……。悪い取引ではないと思うのですが?」
 と、事情通をアピール。
 態度を軟化させた父は、京介に相談。
 先祖代々から続くリンゴ農園を手放す気はないとのことであった。
 その後、一家団欒の食事に混ぜてもらう京介であったが、椿姫の末弟、広明が居ないことに気づく。
 

 椿姫の話によると、広明はよく悪戯で突然いなくなって家族を驚かせようとする癖があるようだ。
 前にも夜遅くにどこかに行ってしまったことがあったようで、2人で一緒に広明を探しに行くことに。
 近くの公園までとりあえず探しに行くが、見つからない。
 人手欲しさに栄一も呼んで、30分ほど公園の中をくまなく探したが、見つからない。
 諦めて家に戻ると、玄関に広明の姿が。
 (ちなみに栄一は、家に戻る直前で合流。何もしていない)
 どうやら、家の堀の陰にずっと隠れていたらしい。
 「えへへ……びっくりした?」
 と大して悪びれる様子もない広明。
 「あー、楽しかったー」
 伸びをする弟の前で、膝を折る椿姫。
 京介は、椿姫が弟を叱りつけることを、いつも幸せそうに笑っている椿姫の別の一面が見られることを期待した。
 が。
 「良かったよ……」
 椿姫は、それだけ言って、弟を抱きしめるのであった。
 弟の無事をただただ喜ぶ、姉の表情だった。
 その様子をみて、京介はただただ立ち尽くすことしかできない。
 そして、どうやって椿姫たちに立ち退きを迫るべきかを真剣に考え始めていた。


 ”魔王”は、東区の公園で夜風のなか、一人佇み思考を巡らせていた。
  
 椿姫の家が立ち退かないのは金の問題ではない。
 けれども、金の問題にしてしまうことが可能である。
 次の魔王の構想は”誘拐”によってそれを行うことであった。

 中編へ続く。