日記 16

5月12(土)

要約
・読まないラノベと同僚の話
・冷凍食品のから揚げのアレコレ

本文

GW前から約10日ぶりの夜勤。
例によって眠い。のどが渇く。オレンジジュースの減りが早い。

14時ごろ起床。
アマゾンから届いた以下の本をパラパラと読んだ。
Vtuber特集していたコンプティークの最新号、
本山らの氏の紹介していたライトノベル「三角の距離は限りないゼロ」。

まず、コンプティークから。
にじさんじ座談会目当てで購入。
しかし、約2か月前の座談会であったため配信追っていたらそれとなく察せる内容しか、
書かれていなかった。
が、この号の真価はそこではない。
田中ロミオ先生の新作、連載が始まっていたのである。
ネットアイドルが、主人公たちの住む閉鎖的な村の掟を破ってしまい祟りを受けて、云々。
Vtuber特集でYoutuberの話を開始するクールさ。

それはそれとして、2,3年後くらいに実在のVtuberをモデルにして小説書いてほしいですね。「りゅうおうのおしごと!」みたいなキャラ設定とエピソードの一部を組み込む的な。
現実での関りとアバターでの関りとか、技術勢の苦労話とか、炎上騒動対応等、結構ネタには困らなさそう。
依頼とか企画とかってもうすでに出てそうですが。
ぜひ取材ガチ勢の方に書いてほしい。

つぎに「三角の距離は限りないゼロ」
内容は、人前でキャラを作ってしまい素の自分が出せないことに悩む主人公が、
しっかり者で寂しがりやの秋玻、自信がなく一個の人格になりたい春珂という
二重人格を持つ転校生にに恋に落ち、云々。
多分、一人で書店に行ったとしても絶対買わないタイプの駄々甘い恋愛小説である。
実際、職場の食堂で読みながら、舌打ちが止まらなかった。
今日も茶がまずい。もっと茶葉の味を深めろ。
といっても、不満というわけではないのだ。
むしろ逆。今日も惨敗してしまった。
こうしているとときが一番楽しいのだ。

今回の舌打ちポイント
・主人公の性格
 人に合わせて器用にキャラを変えられる。
 そのたびに、罪悪感に似た感情に襲われている。
 一人の確固たる自分になりたいと常日頃思い悩んでいたときに、
 同じような悩みを持つヒロインに惹かれ始める。
 ーーいや、むしろ誇れよ! その技術、どんだけのコミュニケーション強者だよ!
   実際、周りとの人間のかかわりもなかなか多い描写もある。
   しかも、自分の中にある要素を強調しているだけでどのキャラを演じていても、
   それは自分の一部だという達観もできている。
   お前、16だろ。どれだけ自分が恵まれているか知れ。
   キャラを意図的に切り替え可能とか、どれだけハイスペックなんだよ!
   その能力マジでほしいわ。
   なんだその自己肯定感のなさは。ありえねぇ……。
   むしろ優越感に浸って、天狗になるまで褒めてあげたい。かわいい。

・恋愛小説特有の爆速進展
 普段から恋愛小説というものはあまり読まないのだが、(だったら特有なんてつけるな)
 フラグ立つのが滅茶苦茶早くてびっくりする。
 2週間もたたない間でここまで進展するものなのか……。
 ※ただしイケメンに限る
 ※、※、※の文字が頭の中に埋め尽くされる。
 無謬の※が注意能力の容量いっぱいまで流し込まれるのだった。
 といっても、裏を返せば話がポンポン進むためストレスなくすらすら読めるということだ。
 グダグダして1巻丸々主人公の憂鬱の吐出しに付き合わなければならなかった、
 某古典作品よりはよっぽど好印象だ。
 まあ、あれはあれで表現に愛嬌があって面白いんだが。

・妙に凝った情景描写
 主人公とヒロインが喫茶店に行くというシーンで、こういう表現があった。
 以下、第二章「泡の歌を聴け」p74-75からの抜粋。

「--登校時刻にはちょっと早い、午前八時。
  学校近くのちょっと古びた、それでも居心地のいい子の喫茶店には、スーツ姿の女性と
 寝ぐせの激しい青年、そして僕らの計四人の客がいた。
  店長の趣味だろうか。店内のあちこちには様々な形のアンティーク時計が飾られている。
 こうして見る限りでは、正しい時間を指しているものは一つもなさそうだ。
  そして当の店長と言えば、店の奥のカウンターで時計と同じくらいアンティークな
 よれよれシャツを着て、ぼーっと朝刊を眺めていた。」
 
 注目してほしいのは、3、4文目。
 各々の客の時間を気にせず風雅に過ごせる空間であることと
 ちょっとレトロで珈琲の匂いがこちらまで漂ってきそうな空間演出の重ね合わせ!
 さらに続く5,6文目では、店長に「時計と同じくらいアンティークな」と表現をかぶせることで、客に自由に過ごしていいんだよと言葉でなく、姿勢で示しているところも実に素晴らしい。
 文学は、重ね合わせの表現であるとはよく言ったものである。
 Mtgでいえば2回攻撃できるクリーチャーをポンポン出してくるようなものだ。
 こういう、ちょっとしたところで表現に気配りがしてくれていると没入感がものすごく上がるのだということを作者は熟知している……。やりおる。
 しかも、刊行ペースも作品によるものだけれど、ラノベと言えば3か月~6か月に1本くらいは新作が出る界隈で、こういうのをぶっこんでくるのが非常に恐ろしい。
 
途中まで読んだ感想だから、興味を持ってくれればうれしい。
本山氏の紹介のほうがよっぽど、貢献しそうだが……。
ド直球の王道作品といったところである。(いまのところは)

とまあ、そんなこんなで、ラノベを読みながら休憩時間を同僚氏と共に過ごす。
同僚氏は、携帯をいじりながらいつもの廃墟写真巡り。
無言が続いたため、何の気なしにラノベの話でも向けてみたが、どうにもうまくいかない。
「美少女動物園」「タイトルが長すぎ」こういう言葉で、返されれば流石の私も閉口してしまう。
この本見ていうセリフではないな、さすがに話聞かなさすぎだろと思った。
まあ、私の紹介の仕方は致命的にアレだからというのもあるのだろうが。
読まなくなった層との認識の違いをはっきりと感じた。
00年代後期から10年台までの潮流から流行りの作風も変化し始めているのかもしれない。
やはり、情報は常に更新していかなければ、人と話すらかみ合わなくなるのだ。
その更新を伝播させなければ、きっと頑張りも無為に終わってしまうのだろう。と少し寂しい思いに駆られた。

一方、仕事は、順調に比較的余裕をもって終えることができた。
この調子なら、今月も残業0で終えることが出来そうだ。

そして定時退社。
家に帰ったら朝飯という名の、実質晩御飯だ。
ニチレイの冷凍の竜田揚げがスーパーで半額だったため、
飯を炊いて、ビールと一緒に頂いた。
そして、一口。
「なんか……違う……」
なんだか、冷凍ものから揚げはべちゃっとしていてから揚げに求めるパリパリ感が皆無だった。これでは、鳥の揚げびたしである。
 原因はおそらく冷凍された油が上手く衣を揚げなおしていないからなのだろうが、
 これはさすがにひどい。味自体は悪くないがゆえに食感の面でもう少しこだわってほしいところだ。やはり総菜のから揚げを買ったほうが満足感がある。
 一番は、自分で作った揚げ物を食うことだが。

 今日はなかなか書けた。もしかしたら、大学生時分の頃よりも文章力、というよりも持っている見識が深まったおかげか、たくさん思ったことをかけた気がする。
 この調子で頑張っていこう。
 
 今日はこの辺で。