一口のもの 8

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 ヒーローに盆も正月も年越しも関係ない。世界征服を企む悪の秘密結社アリエネーゼは、私たちの寺を襲撃してきた。
「待ちなさい! アリエネーゼ。和尚さんの大切にしている鐘をどうするつもりなの!?」
 暗黒帝の送り出してきた怪人はコウモリだか猿だか分からない姿をしている。細身の体躯に似合わない膂力を持っているらしく、寺にあった除夜の鐘をいとも簡単に担ぎ出してしまった。
 なんてこと! 私たちは変身し庭で対峙しているけど、和尚さんが人質に取られていて手が出せない……!
「キキキッキー、毎年人間どもはこの鐘を鳴らして煩悩を消しているらしいじゃないかッキー?」
 自分の優位を知ってか、怪人の顔が醜く歪んで長い牙がチラリと見える。秘密結社アリエネーゼ。伝承と噂を自分たちの都合のいいように歪め、世界を支配しようとする異世界からの侵略者だ。私はクラスメートの鳩保ユカと一緒に伝説の戦士(仮)に変身してこの街を守っている。
「この鐘が108回鳴り終わる頃には人間どもの煩悩が全てなくなっていると言うことだッキー」
「それって……」
「そう! 煩悩とは生きるエネルギー! それが全てなくなった時人間どもは我々アリエネーゼの永遠の奴隷と成り果てるんだッキー!」
「「そんなことさせない!」」
「やめるんだ……ちなみちゃん、ユカちゃん……抵抗するのは……」
「和尚さん!」
 かわいそうな和尚さん……。怪人に尻尾で締め上げられて苦しそうにうめきながらこちらに話す。
「いいんだ……、これで我々人間は少々煩悩を持ちすぎたようだ。この方々の言うとおり鐘に吸収されてしまえば、少しはましな世の中になるかもしれない……」

(語りが怠くなってきたから没。鐘のマジレス返しして和尚が我を取り戻し、煩悩を吸い過ぎた怪人が自滅、そのすきに必殺技を打って倒すとかいう日アサのノリが書きたかっただけ。多分Aパートあたりで寺の手伝いをユカと一緒にしているところを怪人がいいこときいたっきー的なことを言って、計画を思いつきエンジェルハイロウ的なことをしようとしたわけである。あと実現できたからと言って鐘は地域くらいのものだし、大晦日限定の力な訳だから他地域からきた軍に普通に制圧されそう。軍は駄目だよ、軍は。あと普通に和尚が気が違っているのでとりあえず気絶させて普通に倒してもいいかもしれない。なんかめんどいな……うん。)

 今日はこの辺で。マルティナの悪堕ち本探す。