1時間だけモラトリアムパレェド 3

飯の時間まで暇だから書く

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「そういうわけで私は今、非常に機嫌が悪い」
「どういうわけ!?」
 話は食堂に戻る。さっきのは回想だ。みそ汁も飲み終わり、他の学生も各々の場所に散っていったころ、私は先ほど感じたばかりの怒りをショウコ(仮)にぶつけていたのである。
「君はどう思う。私は確かに不出来な学生かもしれないが、一個の確立された人格なのだよ。
 それを指導教員の立場を利用してあれやこれやと、これまでの学校生活に価値があったか無かったかなど、脅しもいいところではないか。しかも、あれは絶対に興味本位で訊いているに違いないぞ」
「うーん。まあ、半分はそうかもしれないけど、あんた自身結構変わってるしね。
 フミちゃん先生にとっても世話のし甲斐があるんじゃない?」
 かの女史は、フミカという名前らしい。フミちゃんというなんとも古風な愛称で呼ばれている。わかりやすく最近の時事とジョークを織り交ぜつつ充実した講義を開くこともさることながら、なにより単位認定が菩薩のように緩いことから多くの生徒に慕われているのだそうだ。それでいいのか大学教育。
「あんなのが世話なものか。
 それと私は普通の乙女だ。どこにでもいる平均的女子だ。」
「そうかい。まあ普通にもいろいろ定義はあるけど、この時期に部屋に呼び出される学生って相当ヤバいと思うよ。平均から考えたらさ。たしかにどの学校にも一人はいるかもしれないけど」



ちょっと豚肉焼いてくる。続きはまた明日。